鍼灸師は、鍼(はり)や艾(もぐさ)といった道具を使い、身体に刺激を与えてエネルギーの活性化をサポートする職業です。東洋医学として広まった治療方法ですが、近年その人気・知名度はますます高まり、鍼灸師として就職を目指す人は増えています。

そこで本記事では、鍼灸師の将来性と、国家資格の取得をおすすめする5つの理由を紹介します。

鍼灸師とは

鍼灸師とは、鍼(はり)や艾(もぐさ)といった道具を使い、身体にあるツボを刺激して人体の自然な治癒を促すことを仕事内容とする職業です。健康促進や不調の改善などをサポートできるので、さまざまなシーンで活躍できるプロとして需要があります。

鍼灸師になるには

鍼灸師になるには、「はり師」「きゅう師」の2つの国家資格の取得が必要です。はり師ときゅう師の国家資格試験には受験資格があり、養成科目のある大学および専門学校で3年以上学んで卒業する必要があります。

大学では4年間鍼灸師についての知識・技術を学び、一般的に教養科目を40単位、そのほか専門的・学術的内容の科目をトータルで124単位ほど取得して卒業します。専門学校では3年間の修学期間を通して、教養科目を14単位、はり・きゅう課程を94単位以上取得して卒業することになります。

鍼灸師の養成課程がある大学では一般教養なども学べますが、卒業までに4年の時間が必要なことと、学費が高い点がネックになります。その点、鍼灸師の専門学校は3年間という短い時間を有効活用したカリキュラムで効率的に学ぶことができ、はり師ときゅう師の国家試験の受験資格を大学に比べて1年早く取得することができます。学費も大学と比較して安く抑えられることが多く、早く就職できるというメリットもあります。

鍼灸師の国家資格取得をおすすめする5つの理由

鍼灸師の国家資格取得には、多くのメリットがあります。以下では、鍼灸師の国家資格取得をおすすめする5つの理由を紹介します。

鍼灸師の知名度が高まり就職がしやすくなっている

近年は鍼灸師の知名度が高まり、その魅力や効果の特徴が広まりつつあるため、鍼灸師として就職しやすくなっています。はり師ときゅう師の試験に合格した人の数も年々増加しており、2019年には約18万人もの人が資格を取得しています。それだけ多くの需要があるので、鍼灸師の国家資格を取得することはその後の就職につながりやすくなっています。鍼灸師としての就職先は幅広く、医療関係では病院やクリニック、助産院などで活躍する鍼灸師が増えています。福祉関係への就職も可能で、リハビリテーションセンターや保健施設、その他介護現場などに就職することができます。その他スポーツ関係、美容関係など幅広い分野で活躍できる資格のため、自分のやりたい仕事内容やキャリアプランに合わせて進路を決められるのもおすすめの理由です。

鍼灸は身体への負担が少なく、幅広い年齢層に対応できる

鍼灸師の鍼と灸を使った治療は、身体への負担が少ないため、子どもから高齢者まで幅広い年齢層に対応できます。肩こりや神経痛といった痛みの改善、自律神経やホルモンバランスの調整など、あらゆる効果に期待できるため、多くの世代に需要が見込めるのです。副作用の心配が少なく、病気の予防にもつながるため、健康志向の方々に需要があります。このように仕事内容が患者の属性を限定しないため、多くの就職先で活躍できることが鍼灸師の国家資格取得をおすすめする理由です。

高齢化社会において需要が高い

鍼灸師は、今後も拡大していく高齢化社会において需要が高い職業のひとつです。鍼灸師の治療は悪くなった部分を治すだけでなく、健康の維持にも効果的です。そのため将来的に病気になる前に、鍼灸治療を受けたいと考える高齢者も多いです。もちろん病気や怪我の後の回復にも役立つことから、高齢者を支える存在として活躍できます。高齢化社会で役立つ安定した職業に就職できる点も、鍼灸師の国家資格取得をおすすめする理由です。

スポーツや美容分野での活躍にも期待されている

鍼灸師は病院や介護施設だけでなく、スポーツ関係や美容関係の職場へも就職できます。スポーツ関係では、スポーツ選手に怪我を予防する施術を行ったり、コンディションのキープをサポートすることができます。美容関係では、肌を整えたり、シワの改善などを鍼灸師が行ったりするケースも増えてきています。スポーツ施設や美容サロンで働く際に、鍼灸師の国家資格が評価対象になる可能性があるため、スポーツ関係や美容関係で活躍したい方は、鍼灸師の国家資格取得をおすすめします。

独立開業などの道も考えられる

鍼灸師は実績を積んでいくことで、自分の店舗を独立開業することも可能です。企業に就職するだけでなく、自分のお店を持つことを将来的に考えられるため、さまざまなキャリアプランを検討できます。独立は年収アップやワークライフバランスの充実など、多くのメリットを得ることにつながります。自分の理想とする鍼灸師のお店を実現することもできるので、国家資格を早めに取得して鍼灸師としての実績を積んでいくことがおすすめです。

まとめ

鍼灸師の仕事内容は、多くの人の身体を支える重要なものとして広まっています。その認知度は今後さらに高まることが予想されるので、その将来性もさらに高まるでしょう。鍼灸師の国家資格取得のための準備をして、大学や専門学校に通うことがおすすめです。この機会に鍼灸師になるためのシミュレーションをして、進学および受験の準備をしてみてはいかがでしょうか。