あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師といった職業は、心身の癒しや疲労回復、ケガのリハビリなどを行えることから、高い需要を持っています。いずれの職業も求人倍率が高く、人手不足に悩んでいる職場も多いため、本格的な勉強を行うことで将来的に就職がしやすくなるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師になるには、国家資格の取得が必須です。国家資格を得るためには国家試験を受験し、合格しなければなりません。

そこで本記事では、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の国家資格の取得方法と、その概要について解説します。

あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師、柔道整復師の国家資格を取得するには

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師になるには国家資格が必要?

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の仕事に就くには、国家資格が欠かせません。それぞれの資格ごとに毎年国家試験が実施されているため、受験して合格基準を満たす必要があるのです。各職業を目指す場合には、まずはそれぞれの国家資格・国家試験の概要を確認し、資格取得に向けた準備を行いましょう。

各資格試験を受験する条件

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の国家試験を受験するには、以下の条件を満たさなければなりません。

  • 厚生労働大臣、文部科学大臣が指定した養成学校で3年以上学習を行う
  • 在学中に「認定実技試験」に合格して卒業資格を得る

以上を満たした場合、各国家試験の受験申請が可能となります。養成学校とは大学や専門学校を指し、いずれも各専門分野を学べるカリキュラムが設定されているのが特徴です。大学と専門学校のどちらを選んであん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師を目指すかは、個人の自由に委ねられています。

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の国家試験の概要

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の国家試験は、以下のような特徴を持ちます。

<試験日>

  • あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師):2月下旬ごろ
  • 柔道整復師:3月上旬ごろ

<試験科目>

  • あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師):
    医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、あん摩マッサージ指圧理論および東洋医学臨床論(鍼灸師(はり師・きゅう師)の場合はあん摩マッサージ指圧理論に代わってはり理論)
  • 鍼灸師になるために「はり師」と「きゅう師」の国家試験を同時に受験する場合、申請を行うことで共通科目の試験が一方のみ免除されます。
  • 柔道整復師:
    解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論および関係法規

<受験手数料>

  • あん摩マッサージ指圧師:14,400円
  • はり師:14,400円
  • きゅう師:14,400円
  • 柔道整復師:16,500円

【参考】

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の合格率

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の国家試験の合格率は、以下のようになっています。(いずれも令和4年3月実施試験の合格率)

  • あん摩マッサージ指圧師:84.7%
  • 鍼灸師(はり師):74.2%
  • 鍼灸師(きゅう師):76.1%
  • 柔道整復師:62.9%

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)の合格率は70〜90%程度と比較的高く、きちんと試験対策が行えれば合格は難しくありません。一方で柔道整復師の合格率は60%前後となっているため、やや難易度の高い試験になっています。しっかりと受験対策を行うことはもちろん、過去問をたくさん解くなど自信をつけられる勉強方法を実践するのがポイントです。

【参考】

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の国家資格を取得する2つのルートについて

先にも挙げた通り、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師になるには指定の養成学校で勉強をしなければなりません。その際には「大学に進学して国家試験を受験するルート」と「専門学校に進学して国家試験を受験するルート」の2種類があり、それぞれにメリットや特徴があります。

以下からは、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師になる際に考えられる2つのルートについて解説し、どちらがおすすめなのか考えていきます。

大学に進学して国家試験を受験するルート

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の専門カリキュラムを用意している大学に進学して卒業すれば、各国家試験の受験資格を得られます。大学では多くの授業から自由に学ぶ内容を選択できるのが魅力で、さまざまな分野の知識・技術を習得できます。将来に役立つスキルを明確にしておけば、大学在学中に必要な能力を育んで即戦力として働ける人材になることも可能です。

一方で、大学は自主性がなければ効率的な勉強が難しい点がデメリットです。自分から積極的に動かなければ、授業やゼミから役立つ知識・技術を得ることはできません。仮に授業をサボり続けても誰も注意をしてくれないため、学習に対するモチベーションを自分自身で管理する必要もあります。自己管理ができないと、大学に行ってもあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師になるための能力を身につけることは難しいでしょう。

大学は卒業に必要な取得単位数も多く、教養科目だけで40単位、トータルで124単位を取得しなければなりません。また、大学の場合は最低でも卒業まで4年かかるため、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の学習に必要とされている3年よりも長く学習しなければならない点も注意が必要です。

専門学校に進学して国家試験を受験するルート

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の学科・コースを設立している専門学校に通うことでも、国家試験の受験資格を得られます。専門学校では卒業までのカリキュラムが明確にしっかりと整備されているため、誰でも効率良く就職に必要なスキルを獲得できるのが特徴です。実習を中心とした授業が多いのも魅力で、早いうちから各職業の現場で実践的な能力を育めます。

就職支援や国家試験対策などが精力的に実施されているのも、専門学校ならではの特徴です。学校の規模も大きくなく、個々の生徒に合わせたアドバイスを行ったり、それぞれの将来を叶えるための具体的な方法を考案したりしてくれるため、安心してあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師を目指せるでしょう。

専門学校は卒業までの取得単位数が最小限に抑えられていて、教養科目は14単位程度、トータルで必要になる単位数も100単位前後(あん摩マッサージ指圧師は100単位以上、鍼灸師(はり師・きゅう師)は94単位以上、柔道整復師は99単位以上)となっているため、大学と比較して効率良く国家試験の受験要件を満たせます。

また、専門学校は基本的に3年で卒業できるため、大学よりも1年早く現場に出て働けるのもメリットです。実践経験を積むことで今後のキャリアアップなどにつなげられるため、将来の可能性を早くから広げられるでしょう。あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師の資格を取得する最短ルートになるので、少しでも早く仕事をしたいのなら専門学校への進学がおすすめです。

まとめ

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師になるには、国家資格の取得が必要です。上記で紹介した条件や概要を参考に、各職業に必要な国家資格の取得を目指しましょう。

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、柔道整復師を最短で目指すのなら、大学ではなく専門学校を選ぶのがおすすめです。「学校法人呉竹学園 東京呉竹医療専門学校」の各学科では、それぞれの資格取得とそのために必要なスキルの習得をサポートする体制が整っています。同時に2つの資格を取得するダブルライセンスも可能となっているため、この機会に東京呉竹医療専門学校の魅力をぜひ確認してみてください。