[航空整備士から鍼灸師へ]K.I さん(3年生)

整備士としてドクターヘリに同乗

島根県や東京都などで約25年間、航空業界に身を置き、ヘリコプターの整備士をしていました。機体整備のほかに、消防防災ヘリコプターの運航補助と救助、救急、消火、物資輸送、災害対応活動の補助も業務の範疇です。ドクターヘリの運航補助や救急活動補助にも携わっていたため、消防士、医師、看護師とヘリに同乗し、災害の救助活動や山火事や水害などがあったときに物資運搬などのサポートをしていました。家庭の都合で東京に引っ越すことになり、そのタイミングで退職しました。いずれは故郷に戻ることと、親の介護を想定して新しい仕事を探しました。

鍼灸が被災地でも役立っていると知る


【写真撮影・提供:大谷浩章】左席がIさん

幼い頃から病院に行くのが苦手で、病気もケガもしたくないタイプです。予防に興味があり、東洋医学に関心を持っていたので、「次は人々が長く健康に生きる手伝いができる仕事をしよう」と考えていました。そんなとき、テレビの健康番組で鍼灸が予防に役立っていることを知りました。調べてみると鍼灸師は国家資格で、資格取得のために西洋医学の勉強もできるということが分かり、魅力を感じました。

ドクターヘリに乗って災害現場へ行き、避難所で過ごす方々を見てきたことも影響しています。「窮屈な生活を強いられ健康を害する方々に対して、自分にできることはないか」、ずっと探していました。あるとき鍼灸師の方が被災地でボランティア施術をしていると知り、鍼灸への興味がますます強くなりました。「鍼灸師の資格を持つことで、直接的にも間接的にも健康にかかわることができる」。長年自分のやりたかったことと合致し、専門学校へ通う決意が固まりました。

家事と学業の両立

現在は6人家族の主夫をしながら専門学校へ通っています。朝5時半に起床し、午前10時まで家事をしたあと、用事がなければ勉強、ジョギング、ボランティア活動、大学や自治体が主催する一般講座への参加などをしています。18時から21時10分まで学校で授業を受けて、22時に帰宅してから家事をして、23時半に就寝します。家族のスケジュールに合わせて家事ができるように調整しています。

学習意欲の高い同級生に囲まれて

東京医療専門学校の学校説明会に来たとき、まず施設が気に入りました。夜間特修コースは専門実践教育訓練給付金制度が適用されているので、金銭面で助かります。同級生は医療系の資格を持つ人が多く、意識が高いです。自分も同級生に追いつこうとしながら勉強しています。

クラスメートにプロのバレエダンサーがいます。実技の授業では、先生の動作を細かく見て真似をすることに長けていて、目のつけどころが違うな、と。異業種の同級生と一緒に学べるのも夜間特修コースのよいところです。

校長先生のモーニングセミナーが分かりやすい!

鍼灸の勉強はどの科目も好きですが、テストの点数は西洋医学系がいまいち伸びません。3年生になって校長先生の解剖学モーニングセミナーを受講しました。校長先生は授業の運び方が上手で、理解しやすく記憶に定着しやすい講義でした。

勉強法は音読アウトプットとB6メモ帳

復習の反復と、音読アウトプットで記憶に定着させるようにしています。授業で勉強したことを家族に聞かせたり、B6サイズのメモ帳にポイントを書き出し、常に持ち歩いて隙間時間に取り出しては復習したり。B6サイズのメモ帳での勉強法は、航空関連の資格取得の際に使用して良い結果を得てきたので、継続しています。

学校以外での実技の練習

自分の身体を使って練習しました。足にはお灸の跡がたくさんあります。1年生で学ぶ「失眠」穴(かかとの中央にある奇穴)への施灸は、家族に協力してもらい練習しました。

卒業後は福祉業界へ

入学前からボランティア活動に従事しており、現在は脳血管障害で身体が不自由になった方の外出に同行するなどの手伝いをしています。卒業後は福祉業界に就職したいと考えています。東京医療専門学校での学びを活かし、学びを深め、学びを広げていきたいです。

1・2年生へのメッセージ

欠席しないことです。3年生になると復習が多く、試験対策も必要です。臨床実習、セミナー、校内模試、統一模試など盛りだくさんですから、早い時期に3年間の全体スケジュールを確認し、ご自身のスケジュールと調整するとよいでしょう。

入学を検討している方へ

フルタイムで働いている同級生を見ていると、本当に大変だなと思います。入学後3年間のスケジュールをよく確認して検討されることをおすすめします。学校案内にはⅠ部1年次の時間割と3年間の単位数が記載されていますが、2年生からは土曜日にも授業があったり、臨床実習などで午後から登校することも結構あったりしります。

  • インタビューは2022年に実施しました。