鍼(はり)や灸(きゅう)を使って施術を行う鍼灸師(しんきゅうし)は、人間の自然治癒力を高めて疲労やケガの回復を促すという特徴から、代替医療・補完医療として注目を集めています。現在はスポーツ業界や美容業界でも鍼灸師が活躍する機会が増え、その需要がますます高まっているのです。

特に美容分野に特化した「美容鍼灸師」は、近年メディアに取り上げられることも多く、人気の職業になっています。今後は鍼灸師だけでなく、美容鍼灸師を目指して勉強する人も増えると予想されています。

そこで本記事では、鍼灸師の一種として注目されている美容鍼灸師について解説します。

美容鍼灸師になるには?必要な資格とは?

美容鍼灸師とは?

美容鍼灸師とは、鍼灸師の知識・技術を用いて美容効果を引き出すことを仕事にする職業です。経穴などに刺激を与えて自然治癒力を高める鍼灸師の能力を美容面に応用し、美しさを向上させたり患者さんが気にしている部分を整えたりすることが仕事になります。

美容鍼灸師も鍼灸師と同じく、鍼や灸を使って施術を行います。そのため美容手術のような大がかりな対応は必要なく、身体に負担をかける心配もありません。その患者さんの美容に悪影響を与えている根本的な原因にアプローチが行えるため、継続した効果を期待できるのが魅力です。効果を感じられるまでの期間が短いのも特徴で、最初の施術を行ってから数日〜1週間程度で実感できるケースもあります。

また、美容鍼灸師は顔への施術だけでなく、身体全ての経穴を対象に刺激を与えます。そのため肩こりや腰痛といった体の不調や、心の不調、自律神経系の不調などの問題解決も期待できるでしょう。「美容+健康」の促進に貢献できる点が、美容鍼灸師が注目される大きな理由になっています。

美容鍼灸の効果

美容鍼灸師がもたらす効果には、さまざまなものがあります。例えば以下のような効果が、美容鍼灸によって得られると期待できます。

  • 顔のたるみの改善
    美容鍼を使って真皮(顔の表面の内側、表皮よりも奥にある層)に微小な傷をつけると、細胞が修復を行う過程でコラーゲンが分泌されます。すると肌にハリが戻り、顔のたるみを改善する効果を引き出すことが可能です。美容鍼で顔を引き締めることは、しわやほうれい線にも影響が出る点も特徴です。
  • 顔のむくみを解消する
    首周りの筋肉や咬筋(こうきん:顎の外側の筋肉)に対して刺激を与えることで、筋肉を弛緩させて新陳代謝を高める効果を引き出せます。顔に溜まった老廃物を排出し、筋肉の凝りを取ることができるため、むくみの解消につなげられるのです。また、筋肉の凝りをほぐすことで、顔の歪みを正すことも可能です。
  • 肌荒れやくすみなどの改善
    美容鍼灸による皮膚への刺激は、肌荒れやくすみといったトラブルの改善にもつながります。睡眠不足が続いて肌が荒れてしまったときや、目のクマが取れなくなってしまったときなども、美容鍼灸が役立つでしょう。
  • ホルモンバランスの改善
    美容鍼灸による施術は、ホルモンバランスの乱れを改善することも可能です。女性の悩みである生理不順などにも効果があり、美容を整えつつ日常生活における問題の解決に貢献できます。

美容鍼灸師のニーズは高い?

上記のようなさまざまな効果を引き出せることから、美容鍼灸師は多くの利用者のニーズに応えられます。顔のむくみ、しわ、肌荒れなどに困っている人たちは大勢いるため、適切な技術・知識を持っていればさまざまな職場で活躍できるでしょう。

近年は美容外科の代替的な存在として、鍼灸師の技術を活かした美容サロンやエステサロンが増えています。就職先として考えられる職場が増加していることからも、美容鍼灸師の需要の高さがうかがえるでしょう。また鍼灸院のなかでも、美容に特化した店舗やサロンも増えています。美容鍼灸師として高いスキルを持っていれば、新たなニーズに応えられる人材として重宝される可能性があるでしょう。

美容鍼灸師と一般的な鍼灸師の違い

美容鍼灸師は一般的な鍼灸師と違い、美容面の効果に特化した技術と知識を持ちます。利用者が求める美容効果を的確に引き出せる能力が、一般的な鍼灸師よりも高い傾向にある点が特徴です。美容鍼灸師を目指すのであれば、美容のトレンドや美容に関する悩みを抱える人たちのリサーチを行い、求められる施術を的確にこなせるスキルが求められるでしょう。

一般的な鍼灸師の仕事では、主に自然治癒力を高めて病気の予防や健康回復の促進などが目的になります。結果的に美容効果が引き出されるケースはありますが、顔のたるみやむくみを取るために施術を行うことは稀です。業務で重要となる技術・知識も、健康面を意識したものが多くなるでしょう。

一方で、美容鍼灸師も一般の鍼灸師も、必要な資格は同じです。そのため美容鍼灸師と鍼灸師は、同時に目指せる職業となっています。美容鍼灸師と鍼灸師のどちらを仕事するか悩んでいる人も、まずは基本的な資格取得ルートを把握することがポイントです。

美容鍼灸師になるために必要な資格とは?

美容鍼灸師になるには、鍼灸師になる際にも必要となる「はり師」「きゅう師」の資格が求められます。「はり師」「きゅう師」はいずれも国家資格であり、年に1回実施される国家試験に合格することで取得が可能です。国家試験を受験するには、指定の養成機関で鍼灸師に関する勉強を修了し、卒業する必要があります。そのため美容鍼灸師を目指す際には、指定の養成機関を探して入学の準備を進めましょう。

美容鍼灸師および鍼灸師を目指すのなら、「学校法人呉竹学園 東京呉竹医療専門学校」の「鍼灸科」「鍼灸マッサージ科」への進学がおすすめです。「はり師」「きゅう師」の国家試験を受験する権利が得られるだけでなく、鍼灸師として活躍する際に役立つさまざまなスキルを習得できる専門学校となっています。

美容鍼灸だけでなく、スポーツ鍼灸などを学べる環境も整っているため、特化した専門知識・技術を幅広く習得可能です。また、東京呉竹医療専門学校では、授業とは別に少人数希望制のゼミやセミナーなどを開講しています。特別講座の「女性領域のウェルビーイング特別講座」では、理論や知識に加えて、卒業後の就職や独立開業などもサポートしているので、美容鍼灸師になるという夢を具体的に叶える方法を学べるでしょう。

まとめ

美容鍼灸師は、これまで健康への効果ばかりが注目されていた鍼灸師という仕事に、新しい可能性を生み出す職業です。美容鍼灸師ならではの魅力や特性は、今後も需要が高まると予想されるでしょう。

美容鍼灸師になる際にも、鍼灸師と同様に「はり師」「きゅう師」の国家資格が必要です。取得には専門学校などの養成機関で勉強をしなければならないため、ぜひこの機会に伝統と実績のある東京呉竹医療専門学校の「鍼灸科」「鍼灸マッサージ科」への進学を検討してみてください。

TAG index